あらすじ

葛城律は、別に仕事ができないわけではない。 むしろ、放っておけばよく働く。 ただ一つ。 人から「やれ」と言われるのが、ものすごく嫌いだった。 主任・真壁が些細な仕事を頼むと、葛城はYシャツの襟を正す。 「万理不動」 その瞬間、白灰色の余白が広がり、葛城の思考が重厚なナレーションとして周囲へ共有される。 それでも押し切られそうになれば、ネクタイを締める。 すると今度は、指先や視線、身体のわずかな動きまで丁寧に解説され始める。 さらにジャケットまで着たら、もう終わりだ。 光。空調。机。紙。椅子。 その場のすべてが、格調高い小説になっていく。 真壁が頼んだのは、議事録、書類運び、会議準備。 普通なら数分で終わる仕事ばかり。 だが、この男は動かない。 仕事を頼むたびに始まる、偏屈会社員と常識人主任の一話完結・社内掛け合いコメディ。

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カクヨム
カクヨム2026/09/16
  • 現在の作品この男、動かない。