あらすじ

深夜0時17分。 地方都市で、一人の男が自宅で死亡した。 男の名は、黒崎修司。 会社を経営し、地域からも信頼されていた人物だった。 しかし、遺体の手には一枚の紙が握られていた。 「犯人は、まだここにいる。」 現場は密室。 凶器は見つからない。 そして、その夜に現場にいたのは五人。 妻。 息子。 会社の部下。 隣人。 そして、第一発見者。 奇妙なことに―― 五人全員が、黒崎を恨んでいた。 さらに事件の直後、死んだはずの黒崎から息子の携帯に電話がかかってくる。 「まだ、犯人を見つけるな。」 刑事・雨宮直人は、黒崎の過去を調べ始める。 そこで明らかになるのは、誰も知らなかった一人の男の裏の顔。 黒崎は人を殺してはいなかった。 それでも、彼に人生を壊された人間は何人もいた。 誰かを追い詰めた言葉。 見て見ぬふりをした瞬間。 「本人のため」と言いながら下した決断。 一つ一つは、罪と呼べないほど小さなものだった。 だが、それらが積み重なった先に、一人の人間の人生があった。 そして捜査が進むにつれ、雨宮自身の過去にも事件との奇妙な繋がりが見えてくる。 犯人は誰なのか。 それとも―― そもそも、この事件に「犯人」は必要なのか。 事件の真相に近づくほど、正義と罪、被害者と加害者の境界は曖昧になっていく。 これは、一つの殺人事件を追う物語ではない。 「自分は誰かを傷つけたことがない」と、本当に言えるのか。

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カクヨム
カクヨム2026/09/16
  • 現在の作品遺体が、犯人の名前を言った