あらすじ

「シャルティエール・グランシア! 貴様との婚約を破棄する!」 ――そう宣言されるはずだった公爵令嬢は、その場にいなかった。 千二百年を超える歴史を持つレイグライド王国。 その公爵令嬢シャルティエール・グランシアは、自らを断罪しようとする動きを事前に知り、何事もなかったかのように王国を去っていた。 婚約破棄も、身に覚えのない罪も、彼女にとってはさほど重要ではない。 放っておけば、それで終わる話だった。 ――王国が、彼女の『罪』を正式な事実として公表するまでは。 「口から出た言葉には全て責任が伴うのですよ」 怒りに任せて剣を取ることもない。 軍勢を差し向けることもない。 国を飢えさせる必要もない。 ただ、隠されていた事実を、本来それを知るべき者たちへ返していく。 商人が動く。 冒険者が調べる。 聖職者が問いかける。 そして、闇に生きる者たちが真実を拾い上げる。 やがて王国は気づき始める。 自分たちが追放したつもりになっていた一人の少女が、いったい何者だったのかを。 これは復讐のために国を滅ぼす悪役令嬢の物語ではない。 自ら発した言葉の責任を、千二百年の古王国が問われる物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/09/16
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