あらすじ
「完成印は押せません。南環の結界は、今夜落ちます」
危険な王都結界を承認しなかった魔法構造監査官ルネは、王太子から婚約破棄と国外追放を宣告された。その夜、警告は現実になる。
国を追われた彼女を迎えたのは、冷酷と評判の隣国公爵レオン。彼が求めたのは慰める相手ではなく、領地の事故を止める専門家だった。
ルネの契約条件は一つ――危険な工事を拒めること。
橋を直し、農地に水を戻し、職人が自分たちで保守できる魔法網をつくる。その仕事が国を変え始めた頃、元婚約者から帰還要請が届く。
戻るつもりはない。けれど、市民を見捨てるつもりもない。
追放された専門職令嬢と、彼女の判断を契約で守る公爵の、国づくりと不器用な恋の物語。