あらすじ

名前はない。感情もない。 何十年かけて作られた、完璧な殺人兵器。 ――それを壊したのは、たった一杯のコーヒーだった。 標的は、いつも通りのはずだった。それでも、引き金を引けなかった。 その瞬間、捕食者と獲物という立場は消えた。残ったのは、二人の逃亡者だけだった。 首の後ろには爆薬。体内の薬はもうすぐ切れる。暗殺部隊が迫る。 警察も、警備員も、道行く人でさえ――誰も理解しない。誰も味方じゃない。逃げ場はどこにもない。 それでも、生まれて初めて。ただそれだけの、簡単なことを――苦いコーヒーに、自分の意思で、砂糖を入れた。 「今まで飲んだ中で一番甘いもの」 ゼロしか持たないなら、失うものもゼロだ。 選ぶ自由には、代償がある。それを何に使う? それとも、ただ流されているだけか? 残された時間は少ない。 すべては、何かの意味になるのか。それとも――価値はゼロのままか。

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カクヨム
カクヨム2026/09/15
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