あらすじ
「選ばれる側」には、一度もなれなかった。
高瀬恒一は、組織の中で正しいと思うことを訴え続けながらも、評価されず、選ばれず、何者にもなれないまま人生を終えた――はずだった。
次に目を覚ましたとき、彼は大企業・東亜インフラホールディングスに勤める男、九条修司として生きていた。
与えられたのは、特別な魔法でも、圧倒的な戦闘能力でもない。
あるのは、前の人生で積み上げた経験と、「組織がなぜ腐るのか」を知っていることだけ。
非効率な制度。責任を取らない上司。評価されない現場。派閥、忖度、既得権益。
九条は、それらを一つずつ壊し始める。
しかし彼が会社を変えるほど、奇妙な違和感が姿を現していく。
なぜ自分は、この人生を与えられたのか。
なぜ、自分と同じような人間が存在するのか。
そして――これは本当に「転生」なのか。
一人の会社員による小さな改革は、やがて企業を、日本を、そして世界そのものを巻き込んでいく。
これは、選ばれなかった男が、「選ぶ仕組み」そのものを書き換えていく物語。