あらすじ
卒業を控えた高校生、水瀬朋香。
写真を撮ることが好きな同級生・朝倉悠斗とは、友達以上恋人未満のような、名前のつかない距離にいた。
そんなある日、悠斗が朋香を撮った一枚の写真『春を待つ人』がコンテストで特別賞を受賞する。
その写真をきっかけに、悠斗には海外写真研修への道が開かれた。
夢に近づく悠斗を応援したい。
だけど、その出発日は――三月一日。
卒業式の、四日前だった。
「行かないで」と言えない朋香。
夢を諦めるとも言えない悠斗。
そして迎えた卒業式。
朋香、美緒、湊、陽菜の四人は、悠斗のいないまま卒業写真を撮ることになる。
そのとき朋香が残したのは――
悠斗一人分の、空白だった。
離れていても続いていく五人の友情。
それぞれが選んでいく未来。
何度巡っても咲く桜。
海の向こうから届く写真。
そして、何年経っても埋められない一人分の場所。
これは、卒業とともに離れ離れになった五人が、それぞれの人生を歩きながら「帰ってくる場所」を見つけていく物語。
あの日、君のいなかった卒業写真。
その空白には、ずっと意味があった。
――「また明日」と言える、その日まで。