あらすじ
佐藤は、同じ部署の先輩・高橋さんと普通に話すことができる。
嫌いなわけでもない。
ただ、なぜか二人きりになるのは少し気まずい。
ある朝、いつもの乗り換え駅で高橋さんを見かけた佐藤は、声をかけず、二両ほど離れた場所で電車を待つ。翌朝も、その翌朝も、なぜか高橋さんの姿が気になるようになっていく。
そんなある日、仕事帰りの街で、高橋さんによく似た男を見かける。
声をかければ、本人かどうかは分かる。
それでも佐藤は、声をかけなかった。
毎日顔を合わせている人のことを、私たちはどこまで「知っている」のだろう。
いつもの人を、いつもと違う場所で見かけたときに始まる、少しだけ変な日常の話。