あらすじ
殴られることには、慣れていた。
高校生・真白湊は、学校でいじめを受けても反抗せず、「僕が我慢すれば済む」と耐え続けていた。
そんなある日、校内で謎の能力者による事件が発生する。
この世界には、人知れず二種類の能力者が存在していた。
他人を傷つけることで力を得る――S型。
自分が傷つくことで力を得る――M型。
敵の攻撃を受けた湊は、M型能力《Momentum》へ覚醒する。
しかし、彼の異常はそれだけではなかった。
死の危機に追い詰められた瞬間、湊の中に昔からいた“もう一人”が身体の主導権を奪う。
口が悪く、好戦的で、自信家。
湊とは正反対の人格――S。
そして彼は、S型能力《Speed》を発現させた。
本来、一人の人間はSかM、どちらかにしかなれない。
それなのに湊の身体には、
傷つくほど強くなるMと、
傷つけるほど強くなるSが、
二人いる。
「誰かが傷つくくらいなら、僕が傷つけばいい」
――だからお前が壊れるんだろうが。
正反対で、喧嘩ばかりで、それでも誰より近くにいる二人。
やがて湊たちは、能力者を巡る政府組織、人工覚醒事件、そして自分たちの存在に隠された巨大な計画へ巻き込まれていく。
これは、力を手に入れて最強になる物語ではない。
他人を傷つけること。
自分を傷つけること。
そして、自分自身を守ること。
一つの身体に生きる二人が、互いを消すのではなく――
「僕は僕」「俺は俺」のまま、共に生きる方法を探していく物語。
学園×異能力バトル×二重人格。
『えすえむっ!』
――SとM、あなたならどちらだ?