あらすじ
【黄昏フラグメント】の続編になります。
10年前の自分が書いた小説を10年越しに続き書いてます。
過去の自分とリレー小説してます。
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そこは、世界から色が失われたモノクロームの闇だった。冷たく静かな昏迷な世界。ここが夢の中だということは分かっている。
太い木格子の冷たさと、畳の匂いだけが異常なほど生々しい。
格子に手をかけるが、自分の指先がまるで見えない霧のようにずるりと期の中に溶けていってしまう。
見慣れた座敷牢の暗闇は自分の自由を奪いだけでなく、肉体そのものを境界の曖昧な虚無へと変えていく。
目覚める事もできず、ただ懐かしく思う出したくもない景色を見つめる。
「時間です」
顔を白い布で隠した女中が二人、感情のこもっていない声で座敷牢の前に立っている。
嫌だ。行きたくない。もう、嫌だ。
牢の戸口から後ずさりする。
「お勤めの時間です、獏様」
女中の腕伸びてくる。
思い出したくもない記憶、生々しい夢から逃れたく目を閉じる。
目を閉じているのに景色が変わるのが分かる、次は闇が広がっている。
足元はどこまでも続く底なしの暗闇なのに、なぜか自分が立っているという感覚だけがある。
上も下もない。
「見つけたわ、この子ね」