あらすじ

ここは――メモリス。 空に光が降り続ける、不思議な星。 それは雨でも、雪でもない。 “人が失った記憶”そのもの。 人々は魔法とともに暮らし、ときにその代償として、大切な記憶を失う。 失われた記憶のかけらは、意思を持つように世界を巡り、いつか持ち主のもとへ帰るという。 ――“必要だ”とされた、その時に。 だが、失われた記憶には恐ろしい禁忌がある。 本人が失った記憶を、他者が深く語り、再び与えること。 その一線を越えれば、語った者も、それを聞いた者も――世界から消える。 ⸻ メモリスには、四つの国家がある。 理論のTHINKER。 信仰のBELIEVER。 激情のBLAZE。 守護のGUARDIAN。 異なる思想と魔法を受け継いだ四国家は、長い争いの歴史を経た今も、互いの間に小さな軋みを残している。 そんな四国家の中央に存在するのが、どの国にも属さない中立組織―― 「魔法局」 彼らの役目は、戦争でも、政治でもない。 この星で起きる出来事を見つめ、伝え、 そして――記録として残すこと。 ⸻ メモリス歴2012年。 その魔法局に、ひとりの新人がやってきた。 アカギ・フレア・カイ。 BLAZEで育った、明るく無鉄砲な新人カメラマン。 人懐っこく、周囲を振り回しながらも、 誰かが傷つくくらいなら、自分が傷つくことを選んでしまう青年。 そんなカイが出会ったのは、冷静で、人との距離を取り続ける編集長――ルシアスだった。 仲間たちと共に過ごす何気ない日々の中で、二人の距離は少しずつ変わっていく。 ――人々から、記憶が消えている。 その裏で動くのは、四国家のどこにも属さず、魔法も、記憶のかけらさえ持たない者たち。 「エクリプス」。 なぜ、彼らは記憶を求めるのか。 そして―― なぜこの星は、“記憶”を必要としているのか。 魔法局の仲間たちは、それぞれに違う過去を抱え、違う力を持ちながら、少しずつその答えへ近づいていく。 一人ではできないことも、誰かとならできる。 持っている力も、得意なことも、生まれた場所も違うからこそ――互いに足りないものを補い合える。 そしてやがて、一つの事件を境に。 カイとルシアスの関係さえも、大きく形を変えていく。 ⸻ たとえ忘れてしまっても。 想いが変わらなければ――きっとまた、大切になれる。

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小説を読もう2026/09/15
  • 現在の作品記憶のかけらが降る星で___。(改)