あらすじ
朝起きると神さまが家の中にいなかったので外に出て探してみると、神さまは海の見えるところにいた。
白い砂浜の上に座っていて、そこから穏やかな海の風景をぼんやりと見つめていた。私は神さまの歩いた足あとが残っている白い砂浜の上を(なるべく神さまと同じところを歩くようにして)歩いて、神さまのところまでいった。
神さまは海を見て泣いていた。
私がやってきたことに気がつくと、神さまは私を見て、涙を白い指で優しくぬぐってから、にっこりと笑って、「海を見ていたんです。今日の朝はとても海が穏やかで美しかったから。少しのつもりだったんですけど、なんだかずっと見ていたいって思ってしまって。心配させてしまってごめんなさい」と私に言った。
私は神さまのとなりに座ってそこから神さまと同じように美しい海の風景を見た。
神さまもまた海を見た。
風は吹いていなかった。