あらすじ
タイトルの「23件を返す」を繰り返さず、
「時間経過で所有者・意味・返却先が変わる」という本作固有の難題を一文で提示する。
## INTRODUCTION
57歳、怪盗ヴェイルこと久我環は、世界一のうちに引退することにした。
最後の仕事は、自分の怪盗人生を代表する23件の盗品を全部返すこと。
反省したから?
まさか。
「盗むより難しそうだから」
最初の品は、二十年前に盗んだ王冠。
元の場所へ戻せば終わり――のはずが、現国王本人に「返すな」と止められる。
盗まれた二十年の間に、王冠は意味も持ち主も変えていた。
婚約指輪、美術品、宗教遺物、犯罪組織の象徴。
返すために、盗み直すことさえある。
世界一の怪盗が、最高峰の技術を逆向きに使う。
「正しい返却先」を探す、引退前最後のケイパー。