あらすじ

「お前は大丈夫じゃない時ほど、大丈夫って言う」 光出涼は、政界の中枢に影を落とす名家・光出家の嫡男だった。 父は元総理にして、今なお与党最大勢力を動かす実力者。 閣僚人事、派閥均衡、次の総理候補――その裏側に名が挙がる家で、涼は幼い頃から「次代の光出」として扱われてきた。 完璧な容姿、優秀な頭脳、誰にでも柔らかく接する処世術。 けれどその身体には、中学時代のある出来事をきっかけに壊された傷が残っている。 久遠政輝だけが、その傷を知っていた。 食事が食べれない時があること。 女性に対して恐怖があること。 性衝動が自分の意思とは無関係に生じること。 そして、触れられなければ、現実に戻れない夜があること。 政輝は、涼の呼吸が壊れるたび、手を取る。 恋人ではないのに、誰よりも近い。 名前のない関係のまま、二人は高校、大学、そして政界へと進んでいく。 ただ、そばにいたいだけなのに。 壊されていく人生の中で、ただ一人だけが光だった。 これは、その光に名前を与えるまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/15
  • 現在の作品eclipse 〜名前のない光〜 Ⅰ