あらすじ
「有翼の異端者め。神託を偽った罪で、聖女の資格を剥奪する」
五年間、国境の結界を維持し、飢饉を予言で防いできたのは、純白の翼を持つ聖女ミレイユ。だが第二王子エルネストと偽聖女ロゼッタによって「魔族の血を引く忌み子」と断罪され、公開処刑を宣告されてしまう。
前世はブラック企業で使い潰され過労死した記憶を持つ彼女は、決意する。もう二度と、あなた達のためには働かない――と。
結界維持の聖印を、自分の意思でしか再起動できないよう封印し、ミレイユは翼を広げて夜空へと飛び立った。背後で静かに綻び始める結界の音を、まだ誰も知らないまま。
しかし逃亡の果て、辺境の廃教会で追い詰められた彼女の前に現れたのは、逃亡者を一人も逃したことがない国最強の追手――竜人将軍ガーヴィス。
終わったと目を閉じた彼女に聞こえてきたのは、剣を鞘に納める音だった。
「お前の翼、偽物じゃないな。本物の聖翼だ。俺には視える」
無表情で不器用、けれど傷ついた翼に丁寧に薬を塗り、干し肉を差し出し、外套をかけてくれる竜人の将軍。彼はなぜ、異端者と呼ばれた私を匿うのか――。
断罪ざまぁ×溺愛の異世界ファンタジー。捨てられた聖女が、翼を広げて本当の居場所と、不器用な愛を見つける物語。