あらすじ
八月三十一日。
高校二年生の水瀬夏希は、親友の白石澪と夏休み最後の一日を過ごしていた。
二人で海へ行って。
アイスを食べて。
くだらないことで笑って。
いつもと変わらない、夏の一日。
――ただ、少しだけおかしい。
店員は澪を一度も見ない。
夕陽の下に、澪の影がない。
窓ガラスに映った澪は、なぜか濡れた髪でこちらを見ている。
そして、誰もいない学校へ忍び込んだ二人。
教室へ入った澪は、自分の席があった場所で立ち止まった。
「ねえ、夏希」
「私の机、どこ?」
夏休み最後の日。
これは、一人の少女が忘れてしまった罪と、
もう会えないはずの親友との――最後の夏休みの物語。