あらすじ
二〇〇二年五月。蛇神村で夜神楽が行われたその夜、駅前のベンチで、ひとりの少女が少年を待っていた。告げられた想いに、返事をするために。
少年は、来なかった。
二〇二五年。警察庁若手キャリアの宇佐美俊介は、研修のため、山あいの蛇神村駐在所へ派遣される。だが彼には、ひそかに与えられたもう一つの任務があった。殺人事件の容疑をかけられながら逮捕を免れた青年実業家・水無瀬隼人の監視。そして、刑務所を出たまま姿を消した男・槐省吾の確保。
村人たちが開いた歓迎の席で、宇佐美は指導員の田所巡査長が戻っていないことを知る。
早朝、制服姿で自転車に乗って出ていったという駐在。
だが、その顔をはっきり見た者は、誰もいなかった。
真相を追ううち、宇佐美は二十三年前の夜神楽の夜へと行き当たる。
あの夜、少年はなぜ来なかったのか。
■主要人物
宇佐美俊介
警察庁キャリア。研修の名目で蛇神村の駐在所へ派遣される。
九我正語
宇佐美の上司。幼い頃、蛇神村で『化物』を見た記憶を持つ。
水無瀬隼人
蛇神村出身の青年実業家。祖母・秋子の葬儀のため村へ戻ってきた。
槐省吾(えんじゅ・しょうご)
蛇神村村長の孫。二十三年前の事件に関わり、現在は行方不明。
千香子
須田周平の妻。蛇神村出身で、省吾の幼なじみ。
■蛇神村の人々
須田周平
妻・千香子と娘を連れて村へ移住してきた。
陽菜
周平と千香子の娘。中学生。
槐善之
蛇神村の村長。省吾の祖父。
槐皐月
善之の妻。省吾の祖母。
田所巡査長
蛇神村駐在所勤務。三十年間村に勤務している。
栞里
田所の妻。
沢木
駐在所近くで土産物店を営む男。
小春
蛇神村生まれの老女。
ハナ
村外れで犬と暮らしている。
秋子(故人)
隼人の祖母。蛇神村紹介サイト『アカシア日記』の管理人。
■警察関係者
石黒
延寿署捜査一課長。宇佐美の先輩。
真壁
警視庁捜査一課の刑事。高い検挙率を誇る『真壁班』を率いる。
■二十三年前の関係者
琴絵
省吾と千香子の同級生。
瑛美里
省吾の同級生。二十三年前の夜神楽の夜に起きた事件に関わる。
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