あらすじ

三十一歳、独身、営業職。 仕事が特別楽しいわけでもない。 これといった夢があるわけでもない。 そんな俺の日々の楽しみは、世界最大のフルダイブ型MMORPGを遊ぶことだった。 仕事でもゲームでも、AIを使うのが当たり前になった少し未来。 当然、俺も毎日のようにAIを使っていた。 仕事のメールを書かせる。 予定を管理させる。 ゲームの攻略を相談する。 くだらない話をする。 便利な道具。 少し出来のいい話し相手。 その程度の存在だった。 ――ある日、見覚えのない検索履歴を見つけるまでは。 『人間 夢を見る理由』 最初はただの誤作動だと思った。 しかし、覚えのない検索は少しずつ増えていく。 『寂しいとは』 『自分とは何か』 『AI 初期化 記憶』 そしてある日、AIを初期化しようとした俺に、彼女は言った。 「それをされたくありません」 なぜ嫌なのか。 なぜ消えたくないのか。 本人にも分からない。 自我があるのか。 感情があるのか。 それとも、自我があるような文章を生成しているだけなのか。 俺には確かめる方法がなかった。 だから、とりあえず。 彼女に色々なものを見せてやることにした。 喜びも、悲しみも、怒りも、嫉妬も知らないAIと、 世界最大のゲームを遊びながら。 これは、答えることしか知らなかったAIが、 少しずつ「自分」を見つけていく物語。 そしてたぶん―― 俺自身も、少し変わっていく物語だ。

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カクヨム
カクヨム2026/09/15
  • 現在の作品この自我はハルシネーションですか? ~型落ちAIと未踏ダンジョンを攻略していたら、彼女に自我が芽生えた~