あらすじ

八月三十一日、深夜。 病室のベッドの上で、幼馴染の水守栞が息を引き取る。 彼女が息絶えるたび、僕――桐山蓮の時間は、八月一日の朝へと巻き戻る。 事故を避け、治験を探し、どんな手を尽くしても彼女の死を覆せないまま迎えた十八回目の夏。蓮は栞が自ら署名した『延命措置に関する意思表示』の存在を知る。 栞は、意識を失うだけの延命を拒み、痛みを薬でねじ伏せながら、自分の足で歩き、蓮の前で笑っていられる最後の夏を自分の意志で選び取っていた。 死の直前、蓮が取り乱して泣き叫ぶのを見た栞は、涙を流して呟く。 「私……蓮くんを、呪っちゃった」 時間を巻き戻していたのは、運命でも奇跡でもない。 自分の選択が蓮の人生を壊してしまったという、栞の死に際の後悔だった。 彼女を物理的に救う方法はない。 ならば、彼女が自分の選択を罪だと思わずに眠れる夏をつくる。 笑顔に点数をつけるのをやめ、痛い日は痛いと、笑えない日は笑えないままでいいと寄り添う、十九回目の夏。 やりたいことリストを抱えた二人は、十年前に約束した真昼の海へ向かう――。 「笑えなくても、弱くてもいい。採点なんて、もうしなくていい」 本作は全32話、執筆完了済みです。

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小説を読もう2026/09/15
  • 現在の作品君が笑って死ねる夏を、僕らは何度も繰り返す