あらすじ

幼い妹・フローラにすべての魔法を注ぎ込み、自分たちを逃がしてくれた最愛の母エレナ。だが、母は離れた場所で、最区の宿敵・ジルバが放った【深淵の劫雷玉(アビス・サンダー・ボルト)】によって理不尽に命を奪われた。 あの時に肌を刺した禍々しい魔力の恐怖と怒りを、オレは片時も忘れたことはない。 母を失い、額に不気味な呪いを刻まれ、永遠の眠りについた妹をおんぶして過酷な森を彷徨うこと一年。 案内板の罠に引っかかり、生きては戻れない絶望の地【竜骸の迷い森】へ踏み込んでしまった7歳のアース。 限界を迎えたアースの前に現れたのは、おとぎ話の存在である伝説の神獣『ディアマント・アダマス』だった。 「君らはエレナの子ですね。……必要な時に力を貸そう」 宿った不思議な光は、酷い火傷やボロボロだった足、全身の傷を綺麗に治し、肉体を『復活』させる。 そして、神獣はこう告げた。 ――君の運命を大きく変える、三つの道標に会いなさい、と。 神獣の導きを信じ、たどり着いた地で出会ったのは、煉獄竜を平手打ちで吹き飛ばすほど強いのに、破滅的な方向音痴で、なぜか毒のある【幻惑リンゴ】を食べて倒れている無表情な少女・ネオマ。 巨大狼ボルトに頭を嚙まれてぶらぶらと振り回される彼女の横で、凍えていたアースたちはボルトの大きな身体に温められて命を救われる。 そこへ、賑やかにケンカをしながら合流したナオト、あるいはレオ。昔から何も変わらない、幼馴染の怪物たち。彼らこそが、神獣の示した『三つの道標』だった。 「結界が消えるまで、もう時間がない――!」 妹の命のタイムリミットが迫る中、オレたちは大急ぎでボルトの背に乗り、フェスタ大国の『クレスト魔道学院』へと爆走する。 無事に学院へ駆け込んだアースたち。 そこからネオマやヘルガ先生たちによる、フローラを救うための3ヶ月にも及ぶ命がけの壮絶な死闘が幕を開ける。 そして、限界の瞬間に現れた、圧倒的に強い天才、ギルバート校長の「時を止める」力によって、ついに黒水晶は破壊され、フローラは再び健やかな声をあげる。――絶望の夜に生まれた、一番あたたかい光を、ついに取り戻すのだった。妹が助かった安心感からか、それまでの一年間の過酷な放浪の疲労が一気に爆発し、そのまま『大聖堂魔道療養院』へと入院し、体が完全に治るまで3ヶ月間、ベッドの上で安静に過ごすこととなった。 無事に退院し、体が万全に復活したアースは、お世話をしてくれた先輩のナオトと血の滲むような特訓を重ね、一本の「刀」の技術を死に物狂いで磨き上げていく。 しかし――アースの額に刻まれた宿敵ジルバの呪い傷だけは消えない。 その狂おしい痛みは、宿敵を完全に打ち倒すその日まで、アースの心身を苦しめ続けるのだ。 時が経ち、最近の国の情勢のせいで、学院に途中から引っ越してくる子やエリート転校生たちが次々とやってくる。そんな中で迎えた初めての実戦授業。自分自身の能力を完璧にコピーする粘土人形【真土の双子児(クレイ・ジェミニ)】とのバトル。 本来なら、攻撃が当たればすぐに泥に戻る「絶対に怪我しない安全な演習用マニュアル」の授業。……のはずだった。 しかし、アースの額の『呪い傷』に反応した人形が暴走が始める。 攻撃されても折れた腕が超高速で回復し、本気でアースを殺しにかかってくる偽アース。そこで、誰もが予想し得なかったとんでもない大事件が巻き起こる――! 派手な攻撃魔法も剣技も使えない。 使えるのは、森を生き抜くために磨いた地味な『気配を消す魔法』と、必死の特訓でナオトと掴み取った「刀」だけ。 生意気だけど妹思いの優しい兄アースが、過酷な運命に抗い、世界で一番優しい『魔王』を目指すリベンジファンタジー、ここに開幕!

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カクヨム
カクヨム2026/09/15
  • 現在の作品アース(EARTH)〜凡者の6歳が、ステルス極めて『魔王』になった件〜