あらすじ
白石琴音が、加茂有希を意識するようになったのは、中学一年の体育祭だった。
それまでは、ただの同級生だった男の子。
けれど、あの日を境に、気がつけば彼の姿を目で追うようになっていた。
話せただけで嬉しい。
目が合えば、少しだけ落ち着かない。
そんなありふれた初恋は、中学三年間をかけて少しずつ形を変えていく。
そして迎えた高校進学。
二人は初めて、別々の道へ進む。
違う制服、違う学校、違う毎日。
それでも終わらなかった関係は、やがて高校卒業という次の分岐点を迎える。
有希が選んだのは、自衛官という道だった。
十三歳のあの日から、季節も、暮らす場所も、二人の距離も変わっていく。
それでも、変わらずそこにあるもの。
白石琴音と加茂有希。
ひとつの初恋を、長い時間をかけて辿る物語。