あらすじ
「息を整える。瞳を揺らさぬ。心を殺す――」
弓道部に所属する水無月マヨは、完璧な「普通の女子高生」の皮をかぶって生きている。
だがその内面は、人の命を奪う『殺人術《キリング・スキル》』としての弓に魅せられた、狂おしいほどの歪みを抱えていた。
自分の異常さを自覚し、世界を拒絶し、息苦しい日常に絶望していた彼女。
ある日、自分を拒絶した「元・友人」を暴走トラックから庇い、彼女は命を落とす。
(――感謝します、神様。私を『化け物』ではなく『善人』として死なせてくれて)
完璧な救済を得て、穏やかに息を引き取ったはずだった。
――だが、目を覚ますとそこは異世界の城。
目の前には、プラチナブロンドのダウナー系美貌を誇る魔王プラナリアが立っていた。
「成功だ! 我に忠誠を誓い、勇者どもを討ち払うのだ!」
「……なぜ、私が貴女の指示に従わなければならないのですか? 私の最高の『死』を台無しにしたくせに」
殺意を解き放ちたい衝動。善人として死にたかった自分。
全てが交錯する中、指示に従う気ゼロの「狂気の弓使い」と、ドン引きする「魔王」の、理不尽な異世界ファンタジーが幕を開ける!