あらすじ
七百年続いた平和は、善意によって守られていたわけではなかった。
世界には、国家同士の争いを止める「盟約王」がいた。
最後の盟約王アルフレッドが死んだ日、その仕組みだけが世界から消えた。
しかし、すぐに戦争が始まったわけではない。
各国は平和を望んでいた。
外交官は交渉した。
議会は議論した。
軍人は国境を守ろうとした。
商人は物流を止めまいとした。
国家を持たない者たちは、自分たちの居場所を求めた。
誰もが、自分たちなりに正しい判断をしていた。
それでも鉄道は止まり、国境には兵が集まり、海の航路は書き換えられ、小さな衝突が次の衝突を呼んでいく。
悪意ではなく、利害。
征服欲ではなく、安全保障。
陰謀ではなく、互いに異なる「正しさ」。
これは英雄が世界を救う物語ではない。
異なる寿命、国家、制度、歴史を持つ者たちが、平和を守ろうとした結果――
なぜ戦争を始めてしまったのかを描く、群像戦記ファンタジー。
※本作は「カクヨム」にも掲載しています。