あらすじ
戦乱に引き裂かれたブリテン。
王なき国では諸侯が覇権を争い、海の彼方からは異民族の脅威が迫っていた。
そんな時代、一人の名もなき若者が、誰にも抜くことのできなかった石の剣へ手を伸ばす。
その名は、アーサー。
自らが王になるなど考えたこともなかった青年は、一本の剣によって運命を変えられ、やがて国そのものの未来を背負うことになる。
魔術師マーリンとの出会い。湖より授けられる聖剣エクスカリバー。そして戦いの旅の中で、アーサーのもとには一人、また一人と騎士たちが集っていく。
ランスロット、ガウェイン、パーシヴァル、トリスタン、ガラハッド――。
身分も過去も、戦う理由さえ異なる男たちを結んだのは、誰もが対等に座ることのできる一つの円卓と、「争いのない国をつくる」という若き王の理想だった。
強大な敵との戦争、未知の土地への冒険、騎士同士の友情、淡い恋、そして聖杯をめぐる伝説。
しかし、どれほど固い誓いにも、人の心までは縛れない。
これは聖剣を持った英雄の物語ではない。
王であることに迷いながら人々を守ろうとした一人の青年と、彼を信じ、ともに笑い、ともに傷つき、同じ夢を追った騎士たちの物語である。
アーサー王伝説と中世騎士文学をもとに、古代末期ブリテンの歴史的背景を織り交ぜて再構築する『世界史志華録』第二作。
剣と友情、冒険と戦争、愛と理想が交錯する大河歴史幻想譚、開幕。