あらすじ
小学6年生の頃、須野泉には誰にも言えない「好きな人」がいた。
その想いを、20年後の自分へ宛てた一通の手紙に綴った。
けれど、その半年後。
泉の初恋は、心に深い傷を残す出来事へと変わった。
卒業と引っ越しをきっかけに、泉はその人との記憶を過去へ置いていく。
そうして20年。
32歳になった泉は、恋愛とはすっかり縁のない毎日を送りながら、大好きなアイドルの推し活を楽しんでいた。
そんなある日、母校から届いた一通の知らせ。
「タイムカプセル開封のお知らせ」
20年前の自分が、未来の自分へ残した手紙。
そこに何を書いたのか、泉の記憶はほとんど曖昧になっていた。
ただ一つだけ、はっきり覚えている。
あの頃、好きだった人の名前を書いたこと。
そしてその名前とともに、泉が心の奥深くに封じ込めた記憶があること。
――もう、思い出すことはないと思っていた。
けれど。
タイムカプセルをきっかけに、止めていたはずの20年前の時間が、再び動き始める。