あらすじ
どうでもいい相手の「隠している一文」だけが、声として聞こえる。
高校2年の桐谷真帆が最初に聞いたのは、母の「私は、この子を愛しているのか分からない」だった。
けれど、その言葉の意味を知りたいと思った瞬間から、母の秘密は聞こえなくなる。
関心の薄いクラスメイトからは聞こえる。知りたい相手ほど、聞こえない。
秘密を知れば、人より正しく動ける――そう考えた真帆は、聞こえた言葉を使い始める。
だが、秘密は事実とは限らない。
知っていることと、その人の代わりに決めていいことも同じではない。
知りたい人ほど何も聞こえなくなる少女が、「知らないまま誰かと関わること」を選べるまでの、現代青春ファンタジー。