あらすじ
十二年間付き合った恋人に、好きな人ができた。
四十歳の高橋美咲は、失恋から逃げるように一人で韓国・ソウルを訪れる。
そこで偶然入った一人焼肉店。
「全部、同時、だめ。焼肉は急がない」
少し不器用な日本語でそう話しかけてきたのは、二十七歳の韓国人店員、カン・ミンジュンだった。
十三歳年下の彼は、夜は焼肉店で働きながら、昼はK-POPアイドルを目指す練習生。
十九歳から夢を追い続けて八年。
しかし二十七歳になった今、事務所から与えられたチャンスは、もうほとんど残されていなかった。
十二年間の恋を失った女と、
八年間追い続けた夢を諦めようとしている男。
何も知らないからこそ、二人は互いの前でだけ素直になれた。
ソウルで過ごす、わずか数日。
「また会いたい」
その言葉から始まった恋は、日本と韓国を越えて続いていく。
だが、ミンジュンの夢が現実へ近づくほど、
二人が一緒にいられる時間は少なくなっていく。
好きなのに、一緒にはいられない。
終わってしまった時間は、本当に無駄なのだろうか。
人生の途中で出会った二人が、
「愛すること」と「別れること」の意味を知るまでを描く、
大人の切ない恋愛物語。