あらすじ
異次元の亀裂『ゲート』と、そこに潜むモンスターの脅威。それらを討伐し、莫大な富と名誉を手にする『ハンター』が子どもたちの憧れの職業となった現代日本。
「勇者になって、みんなを守る盾になる!」
そんな青臭い夢を抱く大剣使いの少女・西埜柚は、国内屈指のエリート機関『国立ハンター養成学園』からスカウトを受け、期待を胸に入学する。
女子寮の相部屋で出会ったのは、魔法センス抜群だが冷徹で合理主義な槍使い・三吉野璃子と、華やかな笑顔の下に暗殺者のような近接戦闘術を隠し持つ名家のお嬢様・宝泉院美季。
三人は厳しい訓練を共に乗り越え、いつしか親友と呼べる絆を育んでいった。
しかし、学園生活は柚が思い描いていた「冒険」とは程遠いものだった。
ガチガチに管理された寮生活。繰り返されるシミュレーター相手の退屈な訓練。生徒の安全を第一とする学園のルールの下では、三年生の卒業課題まで本物のゲートに入ることは絶対に許されない。
おまけにクラスの担任・楠ヶ丘尚十は、いつもボソボソと自信なさげに指導してくる、おどおどした中年教師。彼が「A級ハンター」だという噂も、今の柚たちにはピンときていなかった。
「本物のゲートの空気を味わってみたい。少しでもいいから、刺激が欲しい」
そんな不満をくすぶらせていた秋のある日、学園のすぐ裏山に未確認のゲートが出現したというニュースが飛び込んでくる。
「ただ見るだけ。遠くから眺めるだけだから!」
好奇心を抑えきれない柚の提案に、あきれながらも付き合う璃子と、スリルを楽しむように微笑む美季。三人は厳格な校則を破り、夜の闇に紛れて寮を抜け出した。
だが、無知な少女たちは知らなかった。
ハンターという職業が、正義や憧れだけで成り立つものではないことを。
ゲートがもたらす利権を巡る、東西ギルドの泥沼の権力闘争。法を嘲笑い、裏社会で暗躍する『違法ハンター』たちの冷酷な悪意。そして、人類の常識を容易く粉砕する『本物のモンスターの暴力』が、境界線の向こう側で口を開けて待っていることを。
ほんの小さな好奇心が、少女たちを血と欲望が渦巻く過酷な戦場へと引きずり込んでいく。
圧倒的な絶望を前にし、本当の「弱さ」を知った時、少女たちは本気で「強くなる」ことを決意する。
無知な少女たちが本当の意味でハンターになるための、残酷で熱いダーク・学園ファンタジー。