あらすじ

「君のためを思って」 婚約者セドリックは、いつもそう言った。 疲れているだろうからと友人との約束を勝手に断り、必要ないだろうからと講演会への参加も取りやめる。 少し世話焼きではあるけれど、それも自分を心配してくれているからだと、伯爵令嬢エレノアは思っていた。 そんなある日、幼い頃から憧れていた王立魔術研究院から任用の話が舞い込む。 ところが学院を訪れたエレノアは、教授から思いもよらないことを告げられた。 「研究院の件は残念だったな。君なら来てくれると思っていたのだが」 知らないうちに、任用を辞退したことになっていたのだ。しかも返事を出したのは、婚約者であるセドリック。 問い詰めるエレノアに、彼は悪びれもせず笑う。 「俺が断っておいたよ。君のためを思ってね」 けれどその言葉を聞きながら、エレノアはようやく気づく。彼が見ていたのは、自分が何を望んでいるかではない。 彼が「自分にはこれが良い」と勝手に決めた未来だったのだ。 ならば今度は、エレノア自身が決めよう。 研究院で働く未来も。 これからどこで暮らすのかも。 そして――誰と結婚するのかも。 これは、善意という言葉で人生を勝手に決められてきた伯爵令嬢が、自分の未来を自分の手に取り戻すまでのお話。

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小説を読もう2026/09/14
  • 現在の作品「君のためを思って断っておいたよ」と王宮からの任命を勝手に断った婚約者様。では私も、貴方のためを思って婚約をお断りします。