あらすじ

高校二年生の神崎慧には、人に近づきたくない理由がある。 鼻が、良すぎるのだ。 香水も、汗も、誰かが残したわずかな匂いも、人よりずっと強く届く。だから他人とはほどほどの距離を保って、静かに高校生活を送りたい。 朝は幼馴染と登校し、教室では同級生と軽口を交わす。放課後は香道部へ。人通りの少ない作法室は、慧にとって学校で数少ない息をつける場所だ。先輩や後輩と過ごすのも、いつものこと。 そんな彼女たちと過ごしていると、ときどき匂いだけが「いつもと違う」。笑っているのに、汗の匂いが強い。何でもない顔をしているのに、さっきまでなかった残り香がある。 強がりなのか。緊張なのか。何かを隠しているのか。それとも、慧の読み違いなのか。 ただ匂いが違った。それだけのはずなのに。あとに残ったのは ――二人だけの話。

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カクヨム
カクヨム2026/09/14
  • 現在の作品君の隠し事は、甘い匂いがした。 ――この距離じゃ、その嘘全部バレてるぞ。