あらすじ

高校二年生の大波翔真は、ある日の数学の授業中、奇妙な夢を見る。 「明日、災害が起こります」 たった、それだけ。 気になって夢占いまで調べてみたものの、出てくるのは「ストレスの表れかもしれません」なんて話ばかり。 まあ、ただの夢だろ。 ――そう思っていた、その日の夜。 翔真は、見知らぬ少女・山吹七穂とともに、何もない《空白の部屋》へ連れてこられる。 そこで告げられたのは、世界中から十二人が選ばれたということ。 日本神話。 ギリシャ神話。 北欧神話。 エジプト神話。 ケルト神話。 インド神話。 六つの神話圏から、二人ずつ。 新月の夜、十二人は夢の中で起きる《災害》へ送り込まれる。 八岐大蛇。 神話に名を残す怪物たち。 そして、まだ誰も知らない災害。 しかし、怪物を倒せば終わりではない。 災害に隠された《法則》を見つけ、《核》を出現させ、破壊する。 制限時間は六時間。 失敗すれば、夢の中で起きた災害の一部が現実になる。 さらに、《核》を破壊した者の神話圏には一勝。 七つの災害を乗り越えた時、最も多く勝利した神話圏の二人には―― どんな願いでも、一つだけ叶えられる。 「いや、聞いてないんだけど」 「俺も今聞いた」 協力するのか。 出し抜くのか。 誰を信じるのか。 何も分からないまま、十二人の災害攻略が始まった。 そして、この夢にはもう一つだけ、最悪のルールがある。 災害の中で行動不能になった者は、二度と戻ってこない。 死ぬわけではない。 現実では、ちゃんと生きている。 ただ―― その人を知るすべての人間から、その人の記憶が消える。 家族も。 友人も。 一緒に戦った仲間さえも。 その人がそこにいたことを、誰も覚えていない。 ――ただ一人、大波翔真を除いて。 夢の神ですら知らない理由で、翔真だけは忘れない。 だから翔真は、誰にもできないことを始める。 現実で神話を調べる。 夢で出会った仲間を探す。 そして、世界から消えていく彼らのことを書き残す。 誰も覚えていないなら、俺が覚えておけばいい。 これは、神話の力を宿した十二人が夢の災害に挑む物語。 そして―― 世界から失われた彼らの残照を、たった一人覚えている少年の記録。

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小説を読もう2026/09/14
  • 現在の作品夢で起きた災害を、僕だけが覚えている。だからここに記す