あらすじ
この国には、誰もが知る最強の勇者がいる。
数々の強大な魔物を討ち倒し、国中の脅威を取り除いた彼には、もはや命懸けの冒険をする理由など残されていなかった。
そんな彼のもとへ現れたのは、国王の一人娘である王女様。
「あなた、私の勇者になってくださいません?」
突然の申し出に戸惑いながらも、彼はお嬢様専属の勇者になることを決める。
しかし、勇者として与えられた仕事は、魔物退治とは程遠いものだった。
庭で一緒に過ごしたり、買い物に付き合ったり、料理を手伝ったり、時にはお嬢様の無茶なお願いに振り回されたり――。
「俺は勇者ですから」
その一言を理由に、今日も彼はお嬢様のために奔走する。
最強の勇者と、自由に憧れるお嬢様。
身分も立場も違う二人が過ごす、騒がしくも穏やかな毎日。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、勇者にとって「守る」という言葉の意味も変わっていく。
国のために戦うだけが勇者ではない。
世界を救うために冒険するだけが勇者でもない。
何気ない日常の中で、大切な人の隣にいること。
それもまた、勇者の役目なのかもしれない。
これは、冒険を必要としなくなった最強の勇者と、一人の勇者を求めたお嬢様が織りなす、ちょっと不思議で温かな日常と恋の物語。