あらすじ
三十五歳、企業再生コンサルタント。
赤字企業、崩壊した組織、離職寸前の社員たち。
そんな「潰れかけ」を、人を見る力だけで何度も立て直してきた男は、仕事帰りの事故で命を落とした。
次に目を覚ました時、彼は異世界の辺境伯家三男――レオン・アルヴェルトとして生まれ変わっていた。
剣術F。
魔力F。
身体能力E。
特別な加護も、最強スキルもない。
貴族としては、ほとんど期待されていない三男坊。
だが十五歳になったある日、レオンは父から渡された領地の帳簿を見て気づく。
借金、金貨二万八千四百枚。
税収は前年比三十一パーセント減。
食料備蓄は残りわずか。
軍事費だけが領地の財政を食い潰している。
――この領地、あと三か月で潰れる。
そして同じ頃。
レオンには、人間の「適性」が見えるようになっていた。
侍女なのに商業SS。
酒浸りの元兵士なのに統率SSS。
信用できない詐欺師なのに交渉SSS。
ただし、分かるのは才能だけ。
その人間が善人なのか。
裏切るのか。
未来で何を選ぶのか。
そこまでは分からない。
だからレオンは、数字と経験、そして自分自身の「人を見る目」で判断する。
誰にも評価されなかった人間を拾い。
仕事を与え。
組織を作り。
商売を始め。
軍を改革し。
滅亡寸前の辺境領を、一から立て直していく。
剣では戦えない。
魔法でも戦えない。
それでも彼には、一つだけ前世から持ってきた武器がある。
――人は、正しい場所に置けば強くなる。
人口一万二千人。
破産まで、あと三か月。
これは一人の最強英雄が世界を救う物語ではない。
誰にも見つけてもらえなかった才能を集めた男が、
やがて世界最強の国を作るまでの物語。