あらすじ

高校を辞め、霊能力YouTuberになって二年。 登録者十二人。平均再生数二十三回。最高三十八回。 将来に絶望したヒトシは、どうせ死ぬなら最後くらいバズってやろうと、船幽霊が出るという琵琶湖へ向かった。 盗んだボートで湖へ漕ぎ出し、ライブ配信を開始。 やがて闇の中から、本当に女の声が聞こえてくる。 「柄杓をくれ」 ――しまった。柄杓を忘れた。 仕方なく水筒のコップを渡したものの、何杯汲んでもボートは沈まない。 「もう少し真剣にやってもらえませんか! 僕は命懸けなんです!」 「だったら柄杓くらい持ってきなさいよ!」 やがて疲れ果てた船幽霊は、ヒトシの隣に座り込む。 そして彼女の口から語られたのは、古い怪談などではなく――まだ終わっていない、一つの殺人事件だった。 死ぬために始めた人生最後の配信。 ところがヒトシが生きる理由を見つけたその瞬間――なぜかボートが沈み始める。

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カクヨム
カクヨム2026/09/14
  • 現在の作品【書き出し指定】なぎ&ねぎ様 書き出し指定企画 「もう一杯」『船幽霊さん、柄杓を忘れました』