あらすじ
渇きに苦しむ"それ"は、ただ満たされることを望む。
大学の地域調査の一環でつぶれたホテルの廃ビルにやってきた6人。入り口は彼らを歓迎したが、返す前に力尽きてしまった。電気もない、回線も悪い、ただ闇に包まれたホテルで一晩過ごすと食堂で元の面影がなくなるほどに切り刻まれた死体が見つかる。
建物の中にはこの6人しかいない。つまり言うまでもなく犯人は目の前にいる。
望むことと得ることには大きな差違がある。得ることでまた喪われてしまうものもある。人間の欲深さによる狂気をひそやかに綴った、上田理由ノ助の処女作。