あらすじ
IT企業社長・黒瀬修一が、自社ビルの地下で事故死した。
設備に人為的な細工はない。
現場に閉じ込められた形跡もない。
事故――そのはずだった。
翌朝、警察に一通の匿名メールが届く。
《黒瀬さんの死を、事故だけで終わらせないでください。
私たちの判断が関係しています。》
捜査線上に浮かんだのは、黒瀬に複雑な感情を抱く五人。
社員を帰した者。
仕事を残した者。
地下の資料を確認させた者。
電話をかけた者。
そして、黒瀬に同行しなかった者。
五人の判断が重なった結果、黒瀬は一人で地下へ向かい、事故に遭った。
だが――五人が相談した痕跡は、どこにもない。
誰も殺していない。
誰も命じていない。
それなのに、なぜ五人は一つの意思のように動いたのか。
一人の死から始まる、犯人のいないミステリー。
全四話