あらすじ
空から降ってくる「神々のごみ」を拾い、それを売って暮らす辺境の植民惑星。
そこで育った十歳の少女リナは、ちょっと食い意地が張っていて、よく笑い、喧嘩もする、ごく普通の田舎の子供だった。
――胸を短剣で貫かれ、死にかけるまでは。
その瞬間、彼女の中に生まれた時から封じられていた、あまりにも巨大な魔力が目を覚ます。
やがてリナは、星間国家すら警戒する最高位の魔法使い「特級」の一人、《虚空》として認定されることになる。
けれど、本人が欲しいものは権力でも名声でもない。
お腹いっぱいご飯を食べたい。
家族と一緒にいたい。
学校へ行って、友達を作りたい。
そんなささやかな願いとは裏腹に、国家は彼女の力を恐れ、人々は英雄と呼び、やがて「灰の星の神子」という名前が広がる。
これは、世界を滅ぼせるほどの力を持ってしまった一人の少女が、家族や友人と出会い、傷つき、迷いながら――誰かに決められた「何者か」ではなく、自分自身として生きることを選んでいく物語。