あらすじ
神谷紗月は、ある日突然、自分が前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生していることに気づいた。
しかも、転生した先は物語の主人公ではない。
ヒロインをいじめ、攻略対象たちに嫌われ、最後には断罪される運命を持つ悪役令嬢――リヴィア・アーデントだった。
「……絶対に、そんな未来は迎えない」
ゲームの内容を知っているリヴィアは、決意する。
攻略対象には近づかない。
ヒロインとは争わない。
恋愛なんて絶対にしない。
ただ静かに生きて、破滅の運命から逃げる。
ところが、彼女の知っている物語には存在しない人物が現れる。
隣国の王子、ルシアン・ヴァルクレスト。
本来なら物語の脇役ですらなかった彼は、なぜかリヴィアに興味を持ち始める。
「君は、どうして僕を見るたびに逃げるんだ?」
「そ、それは……あなたが苦手だからです!」
「そうは見えないけど?」
できるだけ彼から離れようとするリヴィア。
しかし、距離を取ろうとするほど、二人の運命は近づいていく。
やがてリヴィアは気づく。
自分が知っているゲームの物語と、この世界の現実には、大きな違いがあることに。
存在しないはずの出来事。
本来なら登場しない人物。
そして、ゲームでは語られなかった隣国の王子の運命。
これは、悪役令嬢として破滅するはずだった少女が、決められた物語を捨て、自分自身の未来と恋を手に入れる物語。
――私はもう、誰かが決めたヒロインにも悪役にもならない。
私の恋は、私が決める。