あらすじ

八年前、日本中の霊山が「開いた」。 見慣れた山に重なる、もう一つの山。そこでは、登って生きて還った高さが人の力になり、頂の主に勝てば「験」と呼ばれる異能を継ぐ。 沢渡迅は、荷を運ぶ担ぎ屋だ。 認定された高さは二四〇〇。だが験は一つも持たず、頂を踏まずに荷を下ろして帰る。三年前、兄を山に残して下りた日から、その数字は止まっている。 十一月の裏高尾。日没を告げる鐘が鳴っても、若い兄弟の手形が戻らなかった。 救助本隊の到着を待てば、夜が深まる。迅は自前の札と装備を揃え、道の変わる山へ入る。 「俺はもう登らない。担ぐだけだ」 そう言う男の仕事は、今日も誰かを生きて還すことから始まる。

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小説を読もう2026/09/14
  • 現在の作品開山録 ~ダンジョンになった山で、担ぎ屋は還らない兄を追う~