あらすじ
「あなたは、誰?」
余命三か月を宣告された少女・澪は、奇跡的に複数の臓器移植を受け、一命を取り留める。
しかし、退院してから澪の身の回りで奇妙な変化が起こり始める。
嫌いだった料理を突然好きになり、知らないはずの歌を口ずさみ、泳げなかったはずの身体が、水の中で自然に動く。
そして、夢に現れる見知らぬ人々。
最初は手術の後遺症だと思っていた。
けれど、親友の凛に紹介された「何でも屋」黒瀬朔とともに、移植された臓器のドナーを調べ始めた澪は、自分の変化とドナーたちの人生が、奇妙なほど一致していることに気づいていく。
料理人だった男。
水泳選手だった青年。
写真を愛した女性。
そして、事故で亡くなった若者たち。
彼らはなぜ、同じ事故に巻き込まれたのか。
なぜ澪は、彼らの記憶を夢に見るのか。
そして、異例とされた「脳移植」には、誰にも知らされていない秘密が隠されていた。
これは、臓器を通してつながった人々の「死」の謎を追う物語。
そして――
自分の中に残された、誰かの人生をどう生きるのか。
「私は誰かになったんじゃない。
私の中に、たくさんの人の人生が残っているだけだ。」
これは、一人の少女が「生きる」という意味を見つける物語。