あらすじ
異世界転生、追放、悪役令嬢、ハーレム、ダンジョン、スローライフ――。
今日も無数の《創造者》たちが、好き勝手に世界を創っている。
だが、一度生まれた世界では、人々が本当に生きている。
作者が飽きたから物語を放棄した。
気に入らない展開になったから世界を削除した。
設定を盛りすぎて手に負えなくなった。
無許可で別作品とクロスオーバーさせた。
転生者が想定していた物語から完全に脱線した――。
創作上なら「作者都合」の一言で済む問題も、そこで暮らす者たちにとっては人生を左右する大事件だ。
そんな創造世界の問題を処理する超次元行政機関――《創造局》。
その中でも《転生課》には、勇者係、聖女係、追放係、悪役令嬢係、ラブコメ係、人外係、ダンジョン係など、やたら細かく分けられた担当職員たちが今日も相談者を待っている。
世界消滅なら実動部隊を派遣。
転生先を間違えたなら事情聴取。
設定崩壊なら関係部署と調整。
創造者が規則を破れば、もちろん始末書だけでは済まない。
申請書と名刺を携え、時には世界崩壊の現場まで出向いて――
「こちら創造局、転生課です。まずは詳しい状況をお聞かせください」
創造された世界も、そこで生きる者たちの人生も、物語が終わったからといって終わるわけではない。
これは、創作世界を「現実」として扱う役所で働く者たちと、そこへ持ち込まれる少しおかしな案件の物語。