あらすじ
「君、最近つまらないだろ?」
32歳の会社員・朝倉恒一は、毎日を淡々と繰り返していた。
仕事へ行き、数字に追われ、家に帰る。
不幸ではない。
けれど、楽しくもない。
そんなある雨の夜、恒一は見知らぬ老人に声をかけられる。
老人に連れられて入ったのは、路地裏にひっそりと佇む一軒の喫茶店。
その名は――『喫茶・リピート』。
店の壁に飾られていた一枚の写真。
そこに写っていたのは、十年前に突然姿を消した親友・高橋直人だった。
「会いたいか?」
老人の問いに、恒一は答える。
「……会いたいです」
その瞬間、時計の針が午前零時を指した。
目を開けると、そこは十年前の世界。
そして恒一の目の前には、もう二度と会えないと思っていた直人がいた。
しかし――。
直人は、自分がいなくなることを知っていた。
過去は変えられない。
会える時間は、たった一時間。
それでも人は、もう一度だけ会いたい人がいる。
これは、後悔を抱えた人たちが「最後にもう一度だけ、会いたい人」に会いに行く物語。
そして最後に恒一が会うことになる、本当の「会いたかった人」とは――。