あらすじ
神の亡骸――《神骸》から削り出された杖によって、誰もが魔法を使える世界。
放浪の魔術師ディルク・アーヴェンは、師であるオズワルド・ヴァイスとともに、長きにわたり人類と争い続けた魔王イデアを討ち果たす。
これで戦いは終わる。
誰もがそう思っていた。
しかし魔王が消えた直後、オズワルドは玉座に座り、弟子であるディルクへ告げる。
「今日より、私が魔王だ」
世界を救ったはずの師匠は、なぜ魔王になったのか。
真相を追うよう命じられたディルクのもとへ、監視役として第三王女ネレイアが送り込まれる。
膨大な魔力を持ちながら、細かな制御が壊滅的に苦手な少女。
弟子など取るつもりのなかったディルクだったが、二人で旅を続けるうちに、いつしか彼女を本当の弟子として見るようになっていく。
人と魔物を融合する研究所。
海を支配する魔族と、その向こうにそびえる世界樹。
魂を奪う古代兵器。
そして、師から弟子へ受け継がれてきた危険な魔法。
各地で起こる事件を追うほど、ディルクは気づいていく。
オズワルドは本当に世界の敵なのか。
そもそも、人間たちが当然のように使っている「魔法」とは何なのか。
やがてディルク自身もまた、かつて理解できなかった師匠の言葉と向き合うことになる。
これは、世界を救った師匠を追う弟子と、その弟子になった少女の物語。
そして――神の骸を杖とする魔術師たちが、自らの力の意味を知る物語。