あらすじ

「……俺、なんか変ですか?」 六月の朝。いつもの通勤電車。 いつもの場所に立っていたその人は、雨の日だけ、向こう側が見えるほど透けていた。 社会人になってまだ二か月。 仕事にも、一人の生活にも慣れない二十三歳の俺は、名前も知らない彼と、雨の日の朝だけ言葉を交わすようになる。 会えるのは、通勤電車のわずか十数分。 仕事の愚痴をこぼしたり。 くだらないことで笑ったり。 少しだけ励ましてもらったり。 それだけの関係だったはずなのに。 いつしか俺は、晴れを待つのをやめていた。 ――明日も、雨ならいいのに。 けれど梅雨は、いつか終わる。 そして彼には、俺の知らない「何か」がある。

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小説を読もう2026/09/13
  • 現在の作品雨の日だけ、君が見える