あらすじ
修理した木の人形に、聖剣が応えた。
勇者候補の代わりに傷を受け、壊れれば回収される人形。その身体を作る職人リュカは、工房の床下に一体を隠していた。
直したばかりの手で、もう戻らない別の人形の指を支えようとする、名もない人形。未登録の身体が見つかったとき、リュカはその胸を割らずに済む道を選ぶ。運び込まれた選剣堂で、人を支えた木の手に聖剣の光が残るとも知らずに。
木を削る。糸を結び直す。相手の返事を待つ。
小さな修理と工夫を重ねながら、職人と人形は手の貸し方を変えていく。
ものづくりと、不器用な相棒たちの異世界ファンタジー。