あらすじ
前世で、百四十八人を殺した。
生まれつき抱えていた殺人衝動を満たすために、人を殺し続けた一人の男。
やがて死を迎えた彼は、異世界で十歳の少年――アインス・トゥルス・クロムバッハとして目を覚ます。
剣と術式、異能が存在する世界。
大貴族の子供という新しい立場。
前世とは何もかも違う人生。
ただ一つ。
人を殺したいという衝動だけは、何も変わっていなかった。
だからアインスは考える。
どうすれば人を殺しても許されるのか。
どうすれば自分の正体を隠したまま、この世界で生きていけるのか。
そんな彼の前に、一人の少女が現れる。
ゼノア。
明るく、お節介で、他人を疑うことを知らない少女。
彼女と出会い、誰かと食事をし、笑い、心配される日々を知るうちに、アインスはそれまで持ったことのなかった願いを抱き始める。
――誰かと、生きてみたい。
だが、彼は殺人鬼だ。
殺人衝動は消えない。
過去に犯した罪も消えない。
人を殺せば満たされる自分自身を、なかったことにもできない。
それでも、人は生き方を選び直すことができるのか。
これは、百四十八人を殺した殺人鬼が、
異世界で「人間」になろうとする物語。