あらすじ
二月十八日の死闘の末、ルキフェルは大怪我を負いながらも、マクシミリアン・ブーケ——その正体であるアントワーヌ・ルノアールの復讐計画を阻止した。
フランス海軍の保護下で傷を癒すこととなった彼は、実父であり海軍大元帥エリオット・レオパードと、失われた親子の時間を少しずつ取り戻していく。だが同時に、生き残ったレオパード家の血筋をめぐる問題は海軍の内部に留まらず、王宮にまで波紋を広げていった。
さらに待ち受けるのは、アントワーヌと旧マクシミリアン・ブーケ隊の隊員たちを裁く法廷。
復讐によって奪われ、復讐によって生き延びてきたルキフェル自身もまた、彼らの罪と向き合うことを余儀なくされる。
誰を裁くのか。誰を赦すのか。
自らに流れるレオパード家の血をどう受け止めるのか。
裁判の日を境に、それぞれの道を選び始める仲間たち。別れを経たルキフェルの前には、なおも終わっていなかった因縁と、長くフランスの裏側に潜んでいたダラス家の影が再び現れる。
レオパード一家惨殺、夢蛇密輸、海賊戦争など、これまで別々に見えていた出来事は、やがて一つの線へと繋がっていく。
王宮にまで及ぶ陰謀を追う中、ルキフェルは何度も問われる。
復讐を終えた自分は、これから何のために生きるのか。
守るとは戦い続けることなのか。
自由とは、どこかへ逃げることなのか。
すべての因果に決着をつけた時、ルキフェルはひとつの選択をする。
復讐も血筋も、誰かに与えられた役割も背負わず、自分が生きたいと思える未来へ進むために。
二十年間、失った記憶と名前、家族、復讐に翻弄され続けた男が、初めて自分自身の意思で未来を選ぶ。
復讐する者から、復讐を断ち切る者へ。
「報復の航路 ―ルー・ブレス(Loup blessé)―」完結編。
全ての因果の、その先へ。