あらすじ
魔導産業革命によって一般に『魔法技術』が普及して半世紀、全世界を巻き込んで泥沼と化した〈魔法大戦〉はついに連合国の勝利に終わり、アメリカ合衆国は後に『狂騒の二十年代』と呼ばれる、かつてない繫栄の時代を謳歌していた。
1925年――摩天楼の間を箒が飛び交い、魔導車が街を駆け、夜になればジャズと魔法に彩られた狂騒が始まる……そんなニューヨークの片隅に、一人の魔法探偵がいた。
その名は、ダミアン・サーストン――通称、ダーティ。かつて西部戦線で戦い、「合衆国最強」とまで呼ばれた伝説の魔法使い……だった。
戦争が終わった今の彼は、仕事嫌い、金欠、昼まで爆睡。依頼が来ても、できるだけ働かずに済む方法ばかり考えている。そんなダーティのもとへ、名門ダンバース魔法学校を卒業したばかりの少女――アメリア・ファーリスが現れる。獣人であることを理由に就職を断られ続け、行き場を失っていた天才魔法少女である。
こうして始まった、最強のぐうたら魔法探偵と、真面目すぎる天才魔法少女の奇妙な師弟生活……だが、そんな二人を待っていたのは、ただの魔法探偵稼業ではなかった。
ニューヨークの裏側で蠢く、禁断の魔法。
消えた獣人たち。謎の秘密結社。そして、魔法大戦の傷跡から蘇ろうとする、古き神々――最強の魔法使いとその弟子が狂騒の街を駆け巡る。