あらすじ
高校一年生の湊は、毎晩のように同じ世界の夢を見ていた。
二つの月。白い王都。手になじむ剣。そして、名前を思い出せない大剣の男。
ただの夢だと思っていた。
ある日、湊は東京の街で、人々には見えない「黒い影」に襲われる。彼を救ったのは、夢の男によく似た同級生だった。
そして次に湊が目を開けた場所は、夢で何度も歩いた世界。
男は湊を見て、一つの名前を口にする。
「――ルカ?」
知らないはずの道を知っている。
二千年前に滅びた王都の名を知っている。
握ったことのない剣を、身体だけが覚えている。
これは異世界へ迷い込んだ物語ではない。
失われた世界と、忘れてしまった自分を探す物語。