あらすじ
第一志望の大学受験に敗北し、滑り止めの大学への進学を機に一人暮らしを始めることになった長谷川橘平。
親との喧嘩をきっかけに家を飛び出した彼が選んだのは、家賃の安さだけが取り柄のオンボロアパート――『よいまち荘』だった。
古い。狭い。人の気配がない。
それでも、金のない大学生にとっては十分な物件……のはずだった。
「……う?」
入居初日。
部屋の押し入れから顔を出したのは、古びたセーラー服を着た女子高生――の幽霊だった。
どうやら彼女は、この部屋にずっと住み着いているらしい。
そんな彼女は一言も話すことができない。
意思疎通のために十円玉を使い、少しずつ言葉を交わしていく内に、橘平は彼女がいる生活が当たり前になっていく。
こうして始まったのは、喋れない女子高生幽霊との奇妙な同居生活。
ゼロから始める一人暮らしは、波乱万丈の日常だった!?
幽体離脱する食パン。胡散臭い大家にインチキ不動産屋。
幽霊の彼女と一つ屋根の下で過ごす内に、最初は警戒していた二人の距離も少しずつ縮まっていく。
けれど――橘平には、どうしても気になることがあった。
何故、彼女はこの部屋から離れられないのか。
何故、彼女は自分の名前すら覚えていないのか。
よいまち荘には何故か、人間ではない『住人』ばかりが集まっている。
そして、彼女の未練を見つけて成仏させるはずが、何故かアパートのいざこざに巻き込まれてしまうのだった。
住人トラブルや、怪しい和尚との熱い(?)バトル――。
これは、格安アパートに引っ越した大学生と、
この世に未練を残した女子高生幽霊が、
一緒に暮らしながら少しずつ心を通わせていく物語。
――いつか、君がこの世から旅立つ、その日まで。